2018年 07月 30日
![]() 随分前に神田の古本屋で手に入れたものの その文章量(1ページ上下2段組で720ページ!)に 恐れおののき、読み始めるのを躊躇していた小説です。 でも、ちょっと読んでみるかと 夕食後の時間に読み始めてみれば 最初のページから美しい文章とその物語に引き込まれ ぐいぐいと読み進めていける小説なのです。 しかしまあよくこの大作(しかも傑作)を書き上げたなあと 感心することしきりです。 私が感想を述べるよりも、北杜夫の箱書きの小文が 将にこの小説を言い得て妙なので転載します。 「絢爛とし、かつ透明な詩情に満ちた叙事文学である。 妖しい暗示に満ちた霧のたちこめる冒頭、そして砂漠の中を ローマ軍団がもの寂しい足跡を残して去りゆく末尾。 雄大な規模を持つ二千枚の長編が、一章を読み終らぬうち、 たちまちに我々を魅了し、息つくまもなくぶ厚い人間と歴史の 奔流の中へと巻きこんでゆく。 予期もせず奇しき生涯を辿る哲学者皇帝、宮廷政治をとりまく陰謀、 相つぐ凄まじい戦闘、美貌の皇后の恋、 それらは現代に見出しがたい宿命の不思議さ、歴史の悲劇性、 人間存在の哀切さを示している。しかも、重厚明晰な文体で刻みこまれた その絵巻が、ごく生き生きとして、肌のすぐ間近に感じられるのである。 小説の醍醐味を私は堪能した。」 北杜夫
by u-och
| 2018-07-30 12:40
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