2018年 08月 06日
![]() 大学生の頃、旧ソ連を亡命した 映画監督S.タルコフスキーの映画が評判をよんでいた。 「惑星ソラリス」「鏡」「ストーカー」等々 ぼくも神保町の岩波ホールに観にでかけた。 美しく幻想的で静謐な映像、 セリフの少ない長回しの1シーンが有名な監督だった。 映画はとても興味深いものなのだが、 しばらくするとついウトウトとしてしまう。 はっと気がついて周りを見渡すと、 うつらうつらしている人が大半で まるで集団催眠にかかって映画を観ているようだった。 とても不思議な体験だった。 映画のシーンが本当に観たものだったのか 夢の中のシーンなのかその境が曖昧になり、 より映画の幻想性が増すといった感じなのだった。 ある評論家は 「タルコフスキーの映画は緊張感がとても高いものなので、 観客はその緊張感に耐えられずその緊張の糸が切れた結果、 ついウトウトとしてしまうのだ」 と判ったようなことを新聞に書いていた。 ![]() そんな体験を最近また味わった。 千駄ヶ谷の国立能楽堂に「能」を観に出かけたのです。 題目は僕のような初心者でもわかるという「船弁慶」 壇ノ浦の戦いの後、頼朝に虐げられ都を追われる身となった義経。 西国を目指し、弁慶を伴って海へ船出すると、 平知盛の怨霊が襲いかかり・・という物語。 静御前との別れの前段 弁慶と怨霊との戦いの後段といった 静と動が対照的な舞台なのです。 静御前が義経との別れを悲しみ舞う前段は 動きも少なく謡と鼓の音が実に心地よく テンションが強すぎて緊張の糸が切れてしまったように ウトウトと半ば夢見心地で舞台を観ることになったのでした。 はっと気がついて廻りを見渡すと 同じような人がたくさん見受けられます。 懐かしい光景! うつらうつらしながら、夢見心地で観る舞台。 いにしえ人はそれを「幽玄」と言ったのかしらん。 またこの不思議な体験をしに、能を見に行こうかな~
by u-och
| 2018-08-06 16:29
| TV・cinema
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