2006年 09月 29日
先日、「土浦亀城邸」を見学する機会を得ました。 この家は1935年竣工、築71年になる、 インターナショナルスタイルでつくられた日本建築史にのこる名住宅なのです。 フラットルーフ、石綿セメント板を張った乾式工法の外壁 (現在は縦張り木の上にペンキ塗り)と 本来コンクリートでつくるべきところを 木造でつくっているので工法としては無理があるのに、 愛着を持つ住み手により大切にメンテナンスがされているお陰で 築71年とは思えないほどきれいで、今見てもとてもモダンな住宅です。 当時断熱材などないので「もみ殻」を外壁に充填して断熱をしたり 居間の天井に輻射熱の天井暖房?を施したりと 建築原論的な実験的な試みをいくつもしています。 そして、有名なスキップフロアで繋がる空間構成。 居間とホールと寝室等五つのフロアを巧みに繋いで おおらかな気持ちのよい空間をつくっています。 この住宅はたまりのある場所がたくさんあって どこに座っても、とても落ち着く安心感があります。 収納計画もしっかり考えられていて、快適な生活が送れる裏付けもあります。 71年の間、ほとんど設計時のままで暮らせるのは、 住まい手のこの住宅への愛情とともに この住宅がしっかりとした生活への配慮が出来ている賜物と思いました。 ![]() ![]() ![]() ![]()
by u-och
| 2006-09-29 19:33
| Architecture
|
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Comments(10)
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タイトル : 土浦亀城邸
昨年の初秋、建築家の[http://homepage2.nifty.com/mhanda 半田雅俊]さんのご尽力で土浦亀城邸を見学することが出来ました。 たいした予備知識もなく、コルビュジェ風白い箱スタイルの物真似だろう、などとタカをくくっていたのですが、実際に拝見して己の不勉強を恥じました。 [[attached(1,center)]] 確かにパラペットを立ち上げ緩い勾配屋根を隠すなど無理をしてキュービックな外観を作り出していますが、敷地の高低差を上手く利用したスキップフロアによる明快な...... more
永く住み続けられる家とは過不足なく設計された家だと思います。
自由になるようにがらんどうの家は結局、愛されないように思います。 作り手の思いが伝わる家が永く住まわれていますね。
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土浦亀城邸・・・見学したんですか??
いいなぁ・・・。 僕は学生時代からあこがれていました。 誘って欲しかったなぁ。 東急ですよね・・・等々力ですよね・・・。 他の御近所のインターナショナルスタイルはどうでしたか?
ireiさん、作り手の思いはほんとに大切ですね
tsumugiさん、この家は当時としてもとても前衛的な家だった
にもかかわらず、生活への細かな配慮もされていました。
迎川さん、目黒の高級住宅街の一角にあります。
一緒につくった住宅三棟は残念ながら建て替えられていて 残ったのはこの土浦邸のみです。 江戸東京博物館に移築保存ではなく 出来ればこの地で保存してほしいですね。
あ~やっと、わかりました。
u-の意味が♪ 遅すぎ(^^ゞ 71年前の建物に見えない~。 おばあちゃんちと比べてみたけど、ぜんぜん違う~。 (おばあちゃんちが築何年かしらないけど) 家の外にある白いロッカーに見えるのは、何かしら??
田中さん、「長者丸」ってすごい地名ですよね!
建築家の槇さんもこのあたりにお住まいだそうですよ。 |
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