2007年 10月 30日
パロ郊外の民家を見学しました。 この住宅は築53年、夫婦、子供3人それにおじさんの6人が暮らす家です。 家は代々女性が守り、男は婿入りする場合が多いとのことで 女性の力が圧倒的に強く 離婚ともなると男は家を追い出され、実家に戻るという事が多いとのことで 実家に戻った男は、家の力仕事や雑仕事を一手に引き受けて暮らすのだそうです。 なんだか寂しい話だなあ・・・ このおじさんの姿は見かけませんでしたが 寝床は納戸のような所だったので もしかするとこのおじさんも「出戻り」ということかもしれません。 伝統的な民家は1階が家畜小屋と倉庫。 2階は居間や台所、客間、仏間、寝室等があります。 家へは外階段でのぼっていきます。 2階の床下は土で蓄熱体が造られていて 冬は家畜の発する熱を蓄熱して2階は床暖房のようで暖かく、 夏はヒンヤリと涼しいというとても合理的な設計です。 部屋の中で一番大きいのは二間続きの仏間。 そこにとても大きな仏壇が置いてありました。 ブータンでは亡くなったご先祖様達は それぞれ人間や動物や植物に生まれ変わっているので、 お参りするのは純粋に仏さま。 ブータンでは仏陀よりも 第二の仏陀とよばれる「グル・リンポチェ」をお参りしています。 仏様を供養するため、お坊さん達を家によんで法要を行うのが 仏教徒として徳を積む行いとされているのだそうです。 このお宅ではバター茶をご馳走になり(塩味の利いたスープのようでした) お茶うけにお米をいった物をいただきましたが、 日本のおせんべいのようでおいしかったです。 ブータンは乾燥しているのでお風呂に入る習慣はなく、 いつもは体を拭く程度なのだそうですが それでも冬の寒い時期、「ドッツオ」という石焼き風呂に入るそうです。 この話はまた後日。 建築関係者はこういう所に行くと 一番初めに入って、一番最後に出てくるという話がありますが、 私もご多分にもれず、他の皆さんがとっくの昔に家を出たのに 私だけ取り残されてしまいました。 家を案内してくれた「ROCK&SOUL」のTシャツを着た15歳の少女にお礼を言って あせって農道を早足で歩いていると 遠くから少女の「グッバーイ」の声が・・・ 振り向くと夕闇に煙る中、遠くで手を振ってくれている少女の姿がありました。 勿論私も「グッバーイ」と返礼しましたが、 何だかまるで映画「シェーン」のラストシーンのようだとジーンときて 突然、 日本にいるカミさんや子供達に会いたくなったのでした。 ![]() 庭先には大量の唐辛子が干してありました ![]() とても大きな仏壇。法要でお坊さん達が来るので仏間もとても広い。
by u-och
| 2007-10-30 20:12
| Journey
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Comments(2)
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ブータンっていいな〜って、ずっと読ませてもらいました。
いつか是非行ってみたい! でも、やっぱり幸せは日本にちゃんとあるようですね!!
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j-kankyoさん、恐縮です。
なんだかメーテルリンクの「青い鳥」みたいですね! |
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